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マラッカ航海日誌補遺

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"The Sleeping Dictionary"(セックスする辞書) マレーシアの映画

なんとも情けない話である。

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イギリスの植民地になった国々は、旧宗主国に対する尊崇の念が自己のアイデンティティの一部になっていることは確かなようだ。(準植民地だったネパールでもそうだし、ミャンマーでもアメリカは嫌われているのにイギリスはそれほどでもない。)

イギリスの場合は「植民地経営」と呼ばれたりするが、日本の場合は必ず「植民地支配」と呼ばれるのは納得がいかないが、長く支配した者の勝ちという教訓だろう。

植民地支配は、十分な実力を背景に容赦なくやること、被支配者を人間と思わないこと(言葉らしいものをしゃべる猿と人間との中間的な存在ぐらいにみなすこと)、被支配者同士を戦わせ争わせること、支配者の言語を複数の被支配者の共通語にすること、そして、とにかく長く支配を維持することが重要であるようだ。

他者をモノとみなすこと、あるいは本当に見下すことは、日本で思われているほど簡単なことではない。これは訓練を要する心の技術であり、少年時代からの教育と修練が必要である。

本題。

"The Sleeping Dictionary"という映画がマレーシアのテレビで放送されるらしい。

ここで"Sleeping Dictionary"というのは、「引かないで眠ったままになっている辞書」のことかと思いきや、そうではなかった。sleepを英和辞典で引くと・・・「((略式))(異性と)寝る((together/with ...)). ▼「性交する」の婉曲(えんきょく)表現」とある。

サラワク(現在マレーシア領のボルネオ島の一部)の"Sleeping Dictionary"とは、イギリス人の植民地役人にあてがわれた、「寝床の辞書代わり」つまり「現地語教材かつ召使を兼ねた性処理用の土人女」のこと。

つまり「イギリス人殖民役人に寝物語で現地語を教える女奴隷という意味である。

そしてこの物語は、高邁な精神を持つイギリス人役人が、あてがわれた土人売春婦とヤってるうちに愛が生まれたという世にもまれなる御伽噺のようである。

また、イギリス人に女をあてがったのは地元の土人側が勝手にしたことで、土人の未開な悪習からそうしただけであって、イギリス側が求めたわけではないという立派な結構にもなっている。

forbidden loveとあるのは、「土人側にはよくても文明国のイギリスからは禁じられた関係だった」という、まことによくできたお話である。

なお、この女の出身母体である土人は、サラワクの非ムスリムのIban族ということになっている。

あるツーリストは「ボルネオはタイの次に白人崇拝がひどかった」といっていたが、マレーシアの「土人売春国家」的な面が、非ムスリム少数民族との関係で噴出するということだろうか。

マレーシアも、ムスリムの少ないボルネオでは白人向け土人売春ツーリズム・レンタルワイフツーリズムを、タイ並みに振興したいのかもしれない。

なお、サラワクは、Brookeという白人のゴロツキが私的に占領して「白人王」(White Raja)を名乗っていたという歴史のある土地でもある。

誰か志のある人が、大川周明の「英国東亜侵略史」でも英訳して七つの海の国々に配布してくれると良いと思う。

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(記事全文 NEW STRAITS TIMES, AUGUST 1, 2006 より)

A tale of forbidden love     By Hizreen Kamal

Set in the 1930s in Malaysia's rainforests, The Sleeping Dictionary tells the story of the tempestuous and forbidden love affair between a young, idealistic Englishman and a beautiful Iban tribeswoman.

When John Truscott (Played by Hugh Dance) takes up a job in the British colonial outpost of Sarawak to "civilise" the Malaysian natives, he is taken aback when he is presented with a native servant Selima (played by Jessica Alba) as his "sleeping dictionary", a local term used for women given to settlers to teach them the local language as well as sleep with them.

Although this unorthodox practice is a readily accepted custome in the local comunity, the pair is monitored closely by Governor Bullard - John's crusty superior - and Bullard's wife Aggie (played by Brenda Blethyn) to ensure that no romantic attachments result from the liaison. 土人側には喜んで受け入れられた習慣だったが、イギリス植民当局は渋い顔をしただと。ただの肉便器辞書女の関係なら良いが、「恋愛」に発展するのはまずいと。)

John and Selima soon fall passionately and openly in love. (普通は同国人の素人娘でも簡単にやれてしまうと急速にさめてしまうのが男の性だと思うが・・・・・確かに、通常の恋愛とはまったく異質の「南国コロニーでの女奴隷遊び」という「特別な分野」に夢中になる白人は今も少なくないようである)

The colonial authorities and the native population soon turn against the lovers, setting off a chain of events that test their resolve to the limit. (ローカルに受け入れられたのは「肉便器関係」だけであって「恋愛」ではなかったと。)

Filmed in Malaysia, the bettersweet love story directed by Guy Jenkin boasts spectacular cinematography, featuring the lush rainforests of Sarawak and rich colours of the exotic 1930s (including architecture and traditional custumes).

The Sleeping Dictionary premieres on Asian television on Aug 27 at 10pm (Cinemax, Astro Channel 41).

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サラワク原住民Iban族の野蛮性を良く表現した映画であるといえる。ぜひとも「野蛮」の存在を確認し、野蛮の中に神秘的な美を見出すとともに、それによって自己を確認したい白人にとっては垂涎の物語であるということになるのだろう。(「野蛮」の問題については、「白人はなぜ白人か」で説明)

はっきりいって、こういう白人に媚びた土人オリエンタリズムは迷惑である。

これを見た毛唐は「ああ、アジアはやっぱりそういうところか。そうかそうか」と納得して喜ぶだろう。サラワクへの土人買春白人ツーリストが増えることは間違いない。

「非ムスリムのアジア・土人のアジアは、白人にとって都合のいい便利な所だ」という白人ツーリズム振興目的の宣伝は、ムスリムのマレー人のプライドは一向に傷つけない。ネイティブ(土人)でない移民系にも関係ない。だからマレーシアでこういう映画が抵抗なくまかり通ることになるのだろう。

なにより"The Sleeping Dictionary"というタイトルが下品というほかない。

いっそのこと日本も「肉便器」というタイトルの映画を作って、「アジア女にカネ使うなんて、よっぽどもてない不細工な白人なんだろうね」というキャンペーンをはってみたらどうだろう。

"Sleeping Dictionary" 再考
http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/2006/08/sleeping_dictio_51bf.html

"The Sleeping Dictionary"(セックスする辞書) マレーシアの映画

http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/2006/08/the_sleeping_di_33a7.html
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タイ人の「土人」性

【補足】

白人のいる風景 JULY, 2006 KUALA LUMPUR

なお「土人」という言葉を私は誹謗の言葉として使っているのではない。これは客観的な性質なのである。タイ社会は、自己の中にある「土人」性を十分に自覚している。「土人」を制度化し、「土人搾取」のシステムを内包しているのがタイの社会なのである。これは「土人」とそうでない人がいるという意味ではない。そうではなくて、上流色白タイ族であっても、自分自身も白人の前ではいつでも「土人」として最低に卑屈に振舞えるように、それ以上に、タイ社会の中の「弱い部分」を自分以下の「土人」として徹底的に卑下し搾取し、外国人に奴隷として容易に売り払える体制のことである。この意味でタイこそはアジアの「土人売春国家体制」の大元であり震源地たる「便所国家」なのであって、KLで見るようなものはまったくその「ひこばえ」に過ぎない。(私はその震源地を見る気力をもうなくしたので、KLあたりにいてひこばえを見ているのである)

タイにおいては「土人」は制度である。それがタイ人の「土人」性、タイ国家の「土人国家」性を再生産している、ということである。

数年前に私が飛行機内で隣り合わせた一人旅の日本人の女の子は、タイの入管役人に「お前はタイ人の癖になんで日本のパスポートを持っているんだ」と詰め寄られたと語っていた。

その理由はどうやら、彼女が小柄で「土人顔」だったからのようである。それだけでなかなか通してもらえなかったそうである。

この一件で彼女はひどく傷ついたらしく、「タイの差別はひどい」「タイ人は人種差別主義者」としきりに訴えていた。

当時の私はまだタイに行ったこともなかったし、タイのことは何も知らなかった。ご多分に漏れず、「仏教国で親日的な『微笑みの国』なのではないか」という、よくある幻想を抱いていたので、彼女の言っていることの意味がピンとこなかった(あとあとになってタップリと知らされることになる)。

この事例からも窺えるように、タイはまず「容姿」による差別を合理化し、制度化さえしている。タイ人にとって「容姿」はIDカードに準ずるか、時にはそれにまさるものであり、法的資格でさえある。

その土台にあるタイの階級社会における生殖によって、「土人」顔は再生産されるとともに、「土人」搾取のシステムもまた再生産される。

白人がレンタルワイフにどんどん生ませている混血児が(時にマスメディアのセレブリティを獲得したりもして)事態を多少複雑にさせているかもしれないが、これが却って「土人」搾取の現実を対外的に曖昧化し、「タイ式社会」への「国際的」(=白人世界の)認知あるいは黙認を導き入れているのである。

タイ人は、「タイには(卑しい)土人がいる」ことを抵抗なく受け容れる。タイ族は、彼ら(色黒の人、モン系、クメール系、山岳少数民族、マレー系等)を、外国人の前でも公然と侮蔑する発言をしてみせる。

ところが現実は、このようにタイ人自身が「タイに土人がいる」ということを受け容れていることによって、タイ人全体が「土人性」を帯びることになるのである。

このことこそ、タイがどこまでいっても土人国家土人売春国家(土人性奴隷国家)であり続けるゆえんである。なぜなら、タイ人自身による「土人蔑視」は、客観的にはタイ人(タイ国民)としての自己卑下でしかなく、タイの「土人国家」性にかんする自己規定にほかならないからである。

タイ人の「土人」性

http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/2006/07/post_3d74.html

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