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マラッカ航海日誌補遺

タイ人の「土人」性

【補足】

白人のいる風景 JULY, 2006 KUALA LUMPUR

なお「土人」という言葉を私は誹謗の言葉として使っているのではない。これは客観的な性質なのである。タイ社会は、自己の中にある「土人」性を十分に自覚している。「土人」を制度化し、「土人搾取」のシステムを内包しているのがタイの社会なのである。これは「土人」とそうでない人がいるという意味ではない。そうではなくて、上流色白タイ族であっても、自分自身も白人の前ではいつでも「土人」として最低に卑屈に振舞えるように、それ以上に、タイ社会の中の「弱い部分」を自分以下の「土人」として徹底的に卑下し搾取し、外国人に奴隷として容易に売り払える体制のことである。この意味でタイこそはアジアの「土人売春国家体制」の大元であり震源地たる「便所国家」なのであって、KLで見るようなものはまったくその「ひこばえ」に過ぎない。(私はその震源地を見る気力をもうなくしたので、KLあたりにいてひこばえを見ているのである)

タイにおいては「土人」は制度である。それがタイ人の「土人」性、タイ国家の「土人国家」性を再生産している、ということである。

数年前に私が飛行機内で隣り合わせた一人旅の日本人の女の子は、タイの入管役人に「お前はタイ人の癖になんで日本のパスポートを持っているんだ」と詰め寄られたと語っていた。

その理由はどうやら、彼女が小柄で「土人顔」だったからのようである。それだけでなかなか通してもらえなかったそうである。

この一件で彼女はひどく傷ついたらしく、「タイの差別はひどい」「タイ人は人種差別主義者」としきりに訴えていた。

当時の私はまだタイに行ったこともなかったし、タイのことは何も知らなかった。ご多分に漏れず、「仏教国で親日的な『微笑みの国』なのではないか」という、よくある幻想を抱いていたので、彼女の言っていることの意味がピンとこなかった(あとあとになってタップリと知らされることになる)。

この事例からも窺えるように、タイはまず「容姿」による差別を合理化し、制度化さえしている。タイ人にとって「容姿」はIDカードに準ずるか、時にはそれにまさるものであり、法的資格でさえある。

その土台にあるタイの階級社会における生殖によって、「土人」顔は再生産されるとともに、「土人」搾取のシステムもまた再生産される。

白人がレンタルワイフにどんどん生ませている混血児が(時にマスメディアのセレブリティを獲得したりもして)事態を多少複雑にさせているかもしれないが、これが却って「土人」搾取の現実を対外的に曖昧化し、「タイ式社会」への「国際的」(=白人世界の)認知あるいは黙認を導き入れているのである。

タイ人は、「タイには(卑しい)土人がいる」ことを抵抗なく受け容れる。タイ族は、彼ら(色黒の人、モン系、クメール系、山岳少数民族、マレー系等)を、外国人の前でも公然と侮蔑する発言をしてみせる。

ところが現実は、このようにタイ人自身が「タイに土人がいる」ということを受け容れていることによって、タイ人全体が「土人性」を帯びることになるのである。

このことこそ、タイがどこまでいっても土人国家土人売春国家(土人性奴隷国家)であり続けるゆえんである。なぜなら、タイ人自身による「土人蔑視」は、客観的にはタイ人(タイ国民)としての自己卑下でしかなく、タイの「土人国家」性にかんする自己規定にほかならないからである。

タイ人の「土人」性

http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/2006/07/post_3d74.html
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