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マラッカ航海日誌補遺

今日かち合った最悪の毛唐

昨日は日本人ツーリストに対する不満をぐだぐだと書いてしまったが、やはり私に甘いところがあったと反省している。

日本人ツーリストに耐え難い者がいることは確かだが、避けようとすれば避けることができる者ばかりである。かかわりあいになったのは自分の選択であり、自己責任といえる。

しかし、世界中のツーリストエリアにおいて - つまりその土地の住民にならなくても容易に滞在し生活できるような圏域においては - どこに行っても決して避けることができないのが白人であり、白人とのトラブルである。

今日は最悪な毛唐に出くわした。油断もあったといえる。白人が並んでいるところに並んだからだ。これは私のルールから逸脱していた。

しかし、そこは飲食店ではなく、銀行の両替窓口だったので思わず油断してしまったのだ。とはいえマレーシア、メイバンクの両替窓口は、タイの銀行のように後ろに並んでいる毛唐にわざわざ声をかけて先にするようなことはしない。私が毛唐の後ろに並んだのである。

60前後の汚く日焼けした毛唐夫婦がメイバンクの店外両替窓口にへばりついていた。そのすぐ後ろに私が並ぶ。

彼らの両替はすぐに終わったはずだった。ところがこの毛唐夫婦は窓口を離れようとしない。私もしばらくは様子を見ていた。最初は年寄りはこういう仕事は遅いのでやむをえないと思った。

しかし、この毛唐夫婦はいつまでたっても両替窓口を塞いだまま離れようとしない。金を計算したり、財布に仕舞い込んだり、バッグの中を整理したり、夫婦であれこれ言いながらその場所を占拠しているのである。

しかし、何しろ現金を取り扱う場面だからという思いやりで、強いことは言わないことにして辛抱していた。

2,3分待つと、毛唐夫婦が少し両替窓口から左右に離れたようにみえた。離れるというよりも、水にふやけるように膨張したといったほうがいい。毛唐夫婦の間に空間ができて、その間に両替窓口があって後ろから手が届く距離だった。

こいつらの「仕事」が終わっているのは明らかだった。受付の女も次の客を待っている。私は腕を滑らせるように、毛唐夫婦の間に入れて、一万円札を窓口のスリットに差し入れようとした。受付もこっちを見ており、万券をスリットに差し入れればそれで作業は終わりである。

これが戦争の始まりだった。私の、か弱く細く白魚のような腕一本が、彼らの「空間支配意識」「白人空間意識」を激しく害したらしい。私が「彼らの空間」に有色人種の腕を入れたということが、彼らにとってはテロに等しい侵犯だったようである。白人のプライベートビーチに地元の漁民が入り込むよりもさらに悪質な侵害行為だと思ったようである。

私の腕に気づくと、汚く日焼けして細い陰険な青い目をしたこの女はキッと私のほうに向き直り、有無も言わせず肘で向かってきた。小さな中年白人女だが肘で私を突き飛ばすのである。その行為はまさに「攻撃」だった。I' m not finishedなどといいながら、「法と権力」を背景にした実力行使であるという確信がなければできない攻撃を私に加えてきた。

確かに相談事は終わってないかもしれないが、両替窓口の前でしなければならない仕事は終わっているだろう。

その60前後と見える汚い毛唐婆の行為態様が、非常に、きわめて植民地主義的な横柄なもので、「白人の両替作業に乗じて金をくすねに来た土人を棒で押しやって追い払う」というものだったので私も逆上する。

しかし私はさすがに婆に殴りかかるわけには行かない。そしてこういうときには必ず白人はひとつになる。理屈があろうとなかろうと彼らは「野蛮人」に対しては統一戦線を組むのである。旦那のほうも声を荒げて私に向かってきた。「侵害者の排除」である。

私はその場で、知っている限り思いつく限りの悪い言葉をならべたてた。Fuck you !crazy rednecks Go home it's not your colony here Go home to europe! Fuck you Off!......ぜんぜん効かない。

彼らにとっては、土人(=有色人種)は危ないだけなのであり、排除できるかどうかが問題なのであって、そのしゃべることなど最初からどうでもいいのだ。有色人種の主張に聞くべき内容などあるはずもない。

その後も私は大声でFuckやGoをこの毛唐夫婦に向かって連発しながら毛唐夫婦が消えるのを待って、両替を無事に済ませた。

すぐ横には警備員がいたが、何もいわずに見ていた。何の問題もない。両替受付嬢も表情ひとつ変えず「コミッションがいくらになります」といって普通に両替を済ませて終わり。

その後も私の腹は煮え繰り返ったまま、収まらない。

すれ違う毛唐にいちいちFuck you Go home Go to the hellなどをできる限り大きな声で連発する。私は年とともに、キレやすく攻撃的な性格になってきた。タイが何よりの起点だった。

信号待ちをしているときに、さっきのクソ毛唐に似た年配の、やはり汚く日焼けした毛唐夫婦を見つける。

毛唐夫婦の女のほうの耳元に口を寄せて、なるべく正しく明瞭な英語らしい発音でGo home and go to the Hell!と宣告してやる。

「耳元でささやく」、これはヨーロッパを旅する日本人ツーリストが白人たちからよくやられる人種差別的嫌がらせだと聞く。しかし彼ら白人がアジア系外国人の耳元でささやく言葉というのはこんな生易しいものでなく、はるかに悪意漲る洗練された(?)言葉なのだろう。

そしてその夫婦の前に並んで信号を待つ。毛唐の女のほうが私が宣告したことを男のほうに言っているらしい。

赤信号は必ずしも渡ってはいけないというわけではない。お巡りがいても普通に渡るものである。

私が赤信号を渡り始め、中央分離帯に達するころに、後ろから男の大変な怒声が聞こえてきた。振り向かなかったが、後ろから追いかけてくるのがわかる。

男が怒鳴っている言葉がはっきりと聞こえた。"It's Terrorism"云々と世間に大声で「正義」を訴え私を後ろから非難しながら、すごい剣幕で追いかけようとしている。

私はいつもどおりに車をかき分けて赤信号を渡り終え、それ以上ケダモノ毛唐に危害を加えられることなく何とか無事に帰還した。

どうぞどうぞもっと追いかけてきてください。私と同じように車の流れを見ながら高速で走る車の群れを効率的にかいくぐることができるなら。という気持ちで待っていたが、結局この毛唐は追いつけなかったようである。

もっとがんばって追いかけて来てくれてご勝手に車にぶつかってくれてもよかったのに、と少し残念であった。殴ってきてくれてもよかった。そして公道で盛大にぶっ倒れてやってもよかった。

マレーシアにはタイにたくさんいるようなぶっ壊れクズ白人はそれほど多くはいないようだが、逆に毎年「国境なき記者団」が発表する「プレスの自由度」インデックスの最上位に名を連ねるのような国々からダイレクトに来る、天然純粋レイシスト白人は少なくないようである。

彼らはもちろん、「アジア」はすべて白人の植民地かすくなくとも保護下にあるという確信を保持している。

アジアは「文明」が遅れており白人が開化してやらなければならないが、アジア人はみな危険な野蛮人だから、彼らの「支配する空間」を侵害するアジア人は実力で排除する法的な権利を持つ、という確定した不変の観念は、「プレスの自由」の信念とともに、彼らが大切に守り育てている思想なのである。

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