マラッカ航海日誌補遺

「日付のある紙片」の過去記事。船便のためかなり遅れて届きます。今日のニュースと書いてあっても一ヶ月前の出来事であったり。速達は<a href="http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/">日付のある紙片</a>

麻生氏のもっともな発言 "Yellow better than blue at diplomacy"

日本のことといえば慰安婦と南京虐殺とオタクネタしか報じないようなマレーシア英字紙New Straits Timesが、割と大きく麻生氏の写真入でこんなネタを引用していた。このネタは、マレーシア人にとってというより、白人メディア、ロイター通信にとって結構注意を引くネタだったのだろうと思う。

Imgp3106 Blonde, blue-eyed Westerners probably can't be as successful at Middle-East diplomacy as Japanese with their "yellow faces", Japanese Foreign Minister Taro Aso was quoted by media as saying in a weekend speech. ........

"Japanese is doing what Americans can't do,"...

"Japanese are trusted. If (you have) blue eyes and blond hair, it's probably no good."

"Luckily, we Japanese have yellow faces."Foreign Ministry officials were unable to comment on the report,.....Reuters

この発言についてロイターはわざわざ外務省に問い合わせをしたようである。

言葉尻をとらえて「日本人の人種差別だ」とでも騒ぐつもりなのだろう。

このブログではなんども書いてきたとおり、「人種差別」、「人種主義」には固有の歴史がある。それは誰もが任意に持つことができる自由な主観ではない。

そうではなくて、「人種主義」はあくまで白人が有色人種を支配収奪する目的に沿って歴史的に形成し来たったところの特殊なイデオロギーなのであり、白人世界に由来する制度なのである

麻生氏の発言はしごく普通のことを指摘しただけである。

歴史上、日本人が最初に白人を見たとき、「髪が赤い」ことと「体毛が濃い」ことには気がついた。

それで白人のことを、イギリス人やオランダ人であれば「紅毛人」、あるいは「毛唐」などと呼んだのである。スペイン人・ポルトガル人はたんに東南アジア植民地から来ていたから「南蛮人」と呼んだ。

いずれにせよ、ここでは「肌の色」「目の色」などは意識されていない。

おそらく、白人のほうから「俺たちは白いんだ、白人なんだ」と教えられるまでは、日本人は白人を白いとは思わなかっただろう。むしろ「変に赤いやつだな」と思っただけのはずである。

支配すべきものと従属すべきものの区別は「肌の色が白いかどうか」「ブロンド、青い目ならなおよい」という規定は、白人が(とくに非白人コーカソイドの地を支配するために)発明し、当然の前提のように広めたものである。

一番問題なのは、日本人がこういう「問題」を騒ぎ立てたがることである。このネタは外人の機嫌を損ねるに違いないと思うと、これはいいスクープだだとばかりに、そうでしょそうでしょと海外メディアに注進する。「知日派」外人も含めて、ご注進を受けた外人たちはそういう愚かな日本人が期待していることをその通りに答えてやるとともに、「日本人の憂うべき人種差別主義」を再定義して彼らのカードとして納める。

それはたんに戦術的カードを一つ持つことを意味するだけではない。彼ら自身が作り上げた「人種主義」というイデオロギーの本来の意義・目的を曖昧化し、日本人という優秀な有色人種の悪人の導入によって、彼らの人種主義(=白人帝国主義)の歴史を相対化する戦略的な作業ともなるのである。

ちなみに、私は英語屋でないので詳しくないが、人種についてyellowというのは英語としてはかなり悪い言葉らしい。「カラード」というのもやばい言葉だそうである。

しかし、これらの言葉、「黄色人種」「有色人種」さらには「黄禍」論等、すべて白人が作り出して宣伝し、白人近代日本人に教えてくれた言葉ばかりである。

大学入試の英語の過去問題などはかなり古いものを調べることができる。明治期の旧制高校の入試問題とかそういうのもまだ残っているだろう。当時のイギリスの評論などが多いが、そのなかには、なぜ白人は優れているか、なぜイギリス人は優れているか、なぜ東洋人はダメなのかを、イギリス人が諄諄と説くという文章が必ずあると思う。私は研究社や旺文社の受験参考書の英文解釈問題のなかでもそういう古い文章を読んだ記憶がある。

白人はいま、有色人種のことを「非白人」といったり、あるいは「ブラウン・ピープル」と呼んだりすることもあるようである。「イエロー」より「ブラウン」のほうがよりキレイゴトっぽいらしい。「ブラウン・ピープル」を使う白人にかかると、インドネシア人もタイ人も日本人もみんな均一に「ブラウン」にされてしまう。

  1. 2007/03/23(金) 14:57:21|
  2. 白人と人種主義
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