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マラッカ航海日誌補遺

人種主義が白人固有の思想であること〔補足〕

「人種主義」は誰もが任意に抱きうるような形式的な観念ではなく、歴史的現実に相応する歴史的な概念であること、「人種主義」の基礎には白人至上主義が存し、白人至上主義を基礎とする白人の人種差別思想のみが正しく「人種主義」の名に値すること、をこれまで述べてきた。

人種主義が白人世界固有の思想である事実は、常識的な観察からも明らかではないかと思う。

白人社会には常に白人至上主義の社会的な勢力が草の根的に存在する。

これは白人社会の土壌に根ざす彼らの体質的思想であり、日本の右翼など比べ物にならない危険な衝動である。日本の右翼が異人種の通行人に石を投げつけたり車道に突き落としたりするだろうか。

日本にはそのような「人種主義」勢力は存在しない。

日本の風土にそのような衝動がないだけでなく、思想としても存在していない。

日本に「黄色人種至上主義」や「アジア人至上主義」が存在するだろうか?

そのようなものをでっち上げたとしてもカリカチュアでしかないだろう。なぜなら、そこに出てくる「人種」という概念がそもそも白人至上主義に基づいて成立しているものだからである。「アジア人」を定義したのも白人である。

日本のいちばん右端のほうを眺め回してみてもも「大和民族至上主義」すら見当たらない。


むしろ右翼になるほど血は半島系が多くなるのではないか。

戦前戦中も同じ。戦時期転向知識人たちがこしらえた「大アジア主義」(平野義太郎)も、白人の世界支配に対抗するためのイデオロギーであって、キレイな言葉で言えば、アジアのさまざまな諸民族が白人支配に抗して立ち上がり日本を盟主として連帯しましょうというよびかけに過ぎず、「人種主義」とは程遠い。人種が絡むのは「非白人」という限りである。誰かが遺伝的に優れているという思想ではないし、ヨーロッパまで支配しようという思想でもない。そのころの各種の「日本主義」もすべて日本精神に関する解釈であって、「日本人種」や「日本民族」の「遺伝的優越性」を説くようなものはないと思う。

このように、日本の風土には「血統」に着目した人種差別主義が昔もいまも存在しない。

白人の遺伝的「性悪性」という仮説を立てている人が私のほかに何人いるだろうか。

長年アカデミズムを動員して白人種の遺伝的優位性の生物学的根拠を探求してきた白人世界との風土の違いである。

血統に着目してカーストの貴賎を考えるという彼らの発想はやはり牧畜の経験に由来するのだろうか。

血統に着目する人種主義、人種的優越主義は、すくなくともコーカソイドに固有の思想だと思われる。
   

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