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マラッカ航海日誌補遺

日本へ

8月6日。

午後8時まで滞在する。半日の宿代は負けてくれた。荷物を預けていく。

8時過ぎチェックアウト。KLセントラル駅からKLIAエクスプレスで空港へ。

電車では毛唐が目立ったがチェックインは人が少なくスムースに進む。午後11時前に搭乗ゲートへ。日本人団体客も少しいる。

機内にミネラルウォーターを持ち込めなかった。電池もライターも爪切りもチェックされないが、ミネラルウォーターだけは取り上げられた。そのわりに、同じバッグに入れていたリステリンの小瓶は取られなかった。搭乗前チェックのマレー女は役人的に偉ぶっていた。

飛行機はマレーシア航空と全日空の共同運航便。

クルーは日本人たくさんで最高だったが、隣に座ったやつが最悪だった。

デブ毛唐オヤジ。しかも脂ぎった若いオヤジ。

体の周りに脂肪がまとわりついていて、腕も太いため普通に座っているだけでブトイ腕がこちらの席まではみ出してくる。どう座っても腕が毛唐のブトイ腕に接触する。気持ちが悪くてたまらない。


シエムレアプからKLに戻ったときに乗ったマレーシア航空でも3列の席の隣一つ置いて毛唐が座っていたが、クルーの接客は見事なほどに「白人優先」を感じさせる余地のないものだった。まわってきたのは日本人のような表情をした華人らしいスッチーだったが、東南アジアを飛んでいる飛行機では珍しいことだろう。MASのキャビンスタッフはそれなりの思想の下にトレーニングを受けているのかもしれないと思った。

やがて隣のデブの毛唐とトラブルになる。

この男はその前にもクルーからパスポートの提示を要求されていて、パスポートに何か書き込まれていたから、問題を抱えている男だったのだろう。

私の席のスペースに毛の生えたブットイ腕を押し出してきて身体に接触するので、まず座布団を境に立てる。それでもどんどん侵食して押してくるので、新聞を読むふりをしてそれとなく押し返してやった。これが原因。

毛唐はかなり本気で怒ったらしく、ムキになって突っかかってくる。私の座布団を引き剥がして取り上げる。

飛行機の中でなかったら本格的な暴力を振るわれていたと思う。

完全に危ない雰囲気になってしまったので、クルーを呼ぶ。クルーはすぐに来てくれたが、まだ離陸中だったのでいったん下がる。

クルーを待つ間に少し話をする。国籍を聞くと高校生のように拗ねてぶつぶつと「ビジネス云々」というので、お前に関係ないだろうということのようだった。たんにI wonderだというと、得意気な顔でアメリカだと答える。

アメリカが偉いと思い込んでいるらしく、どうだ勝っただろうという顔で、毛唐独特の優越感を滲み出させる視線でネットリと睨み続ける。

毛唐のなかでも国籍に関してこれほど優越感をもっているのはアメリカ人とイギリス人くらいではないだろうか。

お前は(デブだから)ビジネスクラスに乗ったほうがいいというと黙っていた。

離陸が終わると日本人クルーが来て毛唐を他の席おそらくビジネスクラスの席に移動させる。毛唐は最後まで何か怒っていた。

隣の毛唐を追い出せたのは成功だった。こういうときはやはり日本人クルーが乗っているとことがスムースに進む。テキパキとやってくれた。土人クルーだったら白人の話だけ聞いてこちらが不利な立場になり、不快な思いをさせられたかもしれない。

東南アジアに行儀の悪い毛唐は非常に多いが、自分の醜い巨体ゆえに隣の席に大幅に腕をはみ出させて常に他人を押していながら、ちょっと押し返すとムキになって本気で怒り出すのはそうたくさんいないような気がする。

そういうタイプは、アメリカ人、それも日本に行こうというアメリカ人くらいなのかもしれない。アメリカ人が日本を植民地だと思っているのは事実だろう。

ともあれ、イヤなことはガマンしているより、トラブルを作って解決したほうが結果的に良いことが多い。もちろんリスクも伴う。

あらためて言うことでもないが、彼らの頭にあるのは自分の「権利」だけである。われわれの慣れ親しみすぎた「他人の迷惑」という観念は白人にはない。彼らと接するときはそれを十分すぎるほど頭に入れておかなければならない。

日本について乗った成田エクスプレスでは若い白人男が廊下を占領していた。そこを通ろうとした日本人の女の子はただ黙って白人がいつか気づいて空けてくれるのをずっと待っていた。白人にはそういう気遣いはないし、だいいち、アジアに来た白人には「土人」は人間には見えていない。白人はまったく気づかないか、気づいていたとしても「自分が道を空けるべきであること」は理解しない。

横を向いていてもよほど視野が狭くなければ人が来ていることは見えるだろう。自分が狭い通路に突っ立っていることもわかるはずである。しかし、知覚していることと理解することとは別である。われわれは自分の中にすでに用意された概念と論理によってしか対象を理解することができない。私は帰国したばかりで喧嘩腰英語が出てくるので女の子の後ろから声をかけて白人をどかせたが、女の子はずっと黙って待っていただけである。

また、「反米感情」はわれわれは当然のように持つべきものである。これは基本において堅持すべき感情である。その上で、政治的な知恵を働かせるのだ。

それが政治的成熟というものだろう。「当然」憎んでいるのだということを彼らが忘れない程度に時々示しておくことだと思う。

飛行機は揺れがひどくて一睡もできない。なかには気分が悪くなって運ばれる人も出る。早朝5時ごろに朝食が来る。ナシゴレンかパンとオムレツかの選択。パンのほうを選ぶ。マレーシアのナシゴレンはうまくない。ナシゴレンがうまいのはジャワ。

揺れるときにはシートベルト着用のサインが出る。サインが出たときはコーヒーなど熱い飲み物は出さないとアナウンスしていたはずだが、朝食時には結構な揺れにもかかわらず熱いコーヒーを出してくれた。テーブルの上でこぼれるほど揺れていた。

九州からが長い。

日本時間午後8時に成田に着く。20分くらいの遅れ。

台湾のあたりで中国へ突入するのかと思うような変な動き方をしていたのは悪い気流を避けるためだったのだろうか。揺れもひどくてどこかに不時着するつもりなのかとか思ってしまった。

成田空港の滑走路が後進国的にでこぼこしていたのが残念だ。プノンペンほどではないが。

成田空港が全体的にしょぼいのも残念である。KLIAに見劣りするといわなければならない。パスポートコントロールに並んだら急にクソがしたくなったのでトイレに行く。成田空港のトイレは清潔なのかもしれないが、狭いし豪華さがない。せっかく日本まで長旅して来たのだから少しは豪華な雰囲気でクソをたれたいと思うのが当然だろう。紙もKLIAより安物という感じ。東南アジアから帰って来た者としては、ウォシュレットがムリでも手シャワーはつけておいてほしい。シャワーつきの部屋も用意しておいてほしい。東南アジアでは公衆トイレで普通に水浴びできることが多い。

JR「成田エクスプレス」にはじめて乗る。これは新宿や池袋まで直行する。これまでは京成スカイライナーばかり使っていて日暮里で乗り換えていた。

山手線にはなるべく乗りたくない。身なりには気をつけているが、それでも自分に土人風の臭いが染み付いていることがわかる。いきなり東京の日常生活空間に突入するのは場違いと感じた。

京成線はブリキを貼り合わせたような、走っているうちに分解しそうな電車だった。

空港へのアクセスはあらゆる面でKLのほうが上等である。

日本に降りて感じたことは、マレーシアよりもずっと暑いということ。セミが鳴いていること。

何よりも日本は静かだということ。街を歩いていても、ところどころでふっと気が遠くなるような静寂スポットに入ることがある。日本のような耳が圧される静寂というのは、私が最近旅行している地域では経験することがない。
          

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