マラッカ航海日誌補遺

「日付のある紙片」の過去記事。船便のためかなり遅れて届きます。今日のニュースと書いてあっても一ヶ月前の出来事であったり。速達は<a href="http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/">日付のある紙片</a>

カトマンドゥでの生活

寺院に礼拝する人々 カトマンドゥ
寺院に礼拝する人々 カトマンドゥ

 

どの国のときでもそうだが、他人が旅先でこんな生活をしていた(あるいはしている)という話をすると、その生活の仕方、旅行の仕方がいちいち気に入らないという人が出てくるものである。そんなのは邪道だ、贅沢だ、ぼられてるよ、あるいは、「ぼられたぼられたなんていうのが間違っている」など、何をしていても文句を言う人が出てくる。

最近は少ないかもしれないが飛行機に乗るのは邪道だという人もいた。「(あいつは)飛ぶぞー、飛ぶぞー」などといって揶揄する。この人は日本からネパールまで歩いて来たのだろうか、バスで来たのだろうか、と思ったが。

なぜこういうことになるのかわからないが、おそらく日本には、ツーリズムは「思想」とか「生き方」とか「世界観」と結びつくべきものだという観念が伝統的に?あるのだろう。

伝統といっても日本人が海外に個人旅行に行くようになってからのことだが。

日本では、海外を「放浪」するようなことは、日本での堅気の生活を捨てて非日常の世界に入っていくことだというような感覚があったのかもしれない。

「外国に行ったら現地の人々の習慣に従い、現地の人を最優先させなければならない」という教条もその種の「思想」に基づくものだと私は思う。

現実には、そんなことをいっていたらやがてなめられて、最優先されるのは白人、次が現地人、さらに韓国人など、そして最後に日本人というシステムが全世界に確立してしまいかねない。

「金持ちの卑屈な態度」は鼻持ちならない傲慢さと見られることもあると思う。

私は、日本のツーリズムによくある「現地の習慣に従え、現地に溶け込むようにせよ」という教条は、悪い意味で「日本的」な「ムラ思考」の延長であって、外国の現地人を自分が作り上げた「仮想のムラ」に当てはめているだけだと思う。

この掟に忠実に従うなら、ムスリム、シーク教徒、ユダヤ教徒、その他の厳格な戒律に従う人々は、自分の宗教を捨てなければ異教地域に旅行してはいけないといっているようなことになる。

現地の習慣を「尊重する」、までは結構なことだろう。ネパールで神像や仏像を左手で触ったりすることはよくない。(今朝はここで地元のおばさんが「左手」でヒンドゥ神像に触ってご利益を受けているのを見たが、現地人にはそういうことも許されても外国人が神像に触るのは穢れだという意識はありうる)。

行く場所によってはそうしなければ身に危険が及ぶこともあるだろう。

しかしこの「日本の掟」はさらに、現地人同様の生活をし、現地人と同じような思考をし、現地の感覚にどっぷり漬かり、できる限り現地人と同一化すべきだという教条にさえ発展する。

「地球の歩き方」などによく書いてある「両替レートなど考えないで現地の金銭感覚を身につけよう」などというたわごともその一種だと思う。現地の金銭感覚といっても、日本ほど貧富の差がなくてみんなが同じようなもの同じ値段でを買っている国はないので、普通に貧富の差がある以上、人それぞれだと思う。現地人すら客によって値段が変わることがある。金の使い方はそれぞれの自由。ネパールにも日本の普通の金持ちよりずっと贅沢をしている者がいる。平均所得1万円ちょっとのベトナムでも金持ちはカンボジアのカジノに出かけていって一晩に何百万円もかけたりする。

結局「現地の金銭感覚を身に着けよう」という教えは、日本のムラ感覚を外国にも輸出して仮想のムラで生活しましょうといっているに等しい。

私が今泊まっているゲストハウスは一泊200ネパールルピア(だいたい300円ちょっと)でシャワートイレ付ツインベッドの部屋。湯はほとんど出ない。

食事にかかる費用は高いコーヒーやミルクティーを飲むので150Nルピアぐらい。

あわせても一日の出費1000円以下。

マレーシアにいたときは一日4000円相当は使っていたのでかなりの出費の違いである。

マレーシアでは高い航空券も言い値で買っていたが、ネパールにきたらなんとなく2ルピア3ルピア(5円とか)を値切るようになった。

3年前はタメル近辺でも5ルピアのミルクティーがあったが、もうこの辺にはない。安いところでも6ルピア。7ルピアのところが多くなっている。以前はローカルな店に入るとローカル値段が普通だったが、いまはそういうところでも10ルピアを吹っかけてくることがある。石油やガス(ボンベ)の高騰が原因だとは思う。しかし近代化と外国人ずれも着実に進んでいると思う。

ツーリストは少なくなっているのに変なツーリストずれは進んでいる。

以前からあったが、タイ料理店や「タイマッサージ」の看板は不愉快なものである。タイとネパールを行き来するツーリストが多いので、そういう悪い需要も出てくるのだろう。タイ人でもネパールくらいなら旅行できる者が多いかもしれない。

3年以上前、ネパール人の友人に「キャビンレストラン」というところに連れて行ってもらったことがある。当時は外国人は入れなかったが特別に入れてもらった。個室のテーブルに若い女の子が着く。連れのネパール人はしきりに「連れ出し」を勧めたが、店の主人が許さなかった。外国人にそういうことはさせないという方針のようだった。

そのキャビンレストランがあったところに派手なネオンの「ダンスバー」とかいうのができている。ビキニの女の子の絵が掲げてある。まさにタイの「ゴーゴーバー」のようだ。

日本人などがタイを甘やかしているうちに、タイの腐った文化がアジア中に拡散していく。アジアの人々がタイ式文化にからめとられていくことで同時に、身体の深奥まで白人に捧げ尽くすタイ式白人植民地システムも受け入れていくことになる。

ゲストハウスの人間は、ソーラーシステムだから今はぬるいお湯しか出ないといっていたが、白人客が入った晩にはちゃんとしたお湯が出た。ソーラーだけでなくボイラーもあったようだ。こういうことはよくある。日本人の若い女の子が入ってもちゃんとしたお湯が出るだろう。格別美しくなくても日本人の若い女の子ならネパールでは相当楽しい思いができるかもしれない。

アサン

アサンAsanの風景 カトマンドゥ
アサンAsanの風景 カトマンドゥ

  1. 2008/05/07(水) 21:13:54|
  2. ネパール
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<日本敗戦後のタイ人による日本人虐殺事件 | ホーム | カトマンドゥ Kathmandu その2>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kuantan.blog74.fc2.com/tb.php/618-cfa71670
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

Kuantan

Author:Kuantan
http://iscariot.cocolog-nifty.com/kuantan/

日付のある紙片

辞典・事典

迷わず思い切ってお買いになるとたいへんおトク!いまがチャンスです!必ず役に立つあなたの書斎の必備書。

岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典
岩波=ケンブリッジ 世界人名辞典

岩波哲学・思想事典
岩波哲学・思想事典

新カトリック大事典
新カトリック大事典

フリーエリア

日付のある紙片から
ソルクーンブ(アルバム)
ソルクーンブ写真
バンダ・アチェ 
オーストラリア(ニュース)
白人が増えることの脅威
白人はなぜ白人か
「白人コンプレックス」論
「NYタイムス」の「日本たたき」
感涙!「テムズ川クジラ救出作戦
タイ国王、天皇を迎えず!
タイ人の「土人」性
"The Sleeping Dictionary"

白人のいる風景から
白人のいる風景
白人の児童買春、性犯罪
タイの仏教






最近の記事

月別アーカイブ

カテゴリー

全ての記事を表示する

全ての記事を表示する

地球の歩き方

ネパール(2005~2006年版) 地球の歩き方
ネパール(2005~2006年版) 地球の歩き方

地球の歩き方 ガイドブック D25 インドネシア
地球の歩き方 ガイドブック D25 インドネシア

D19 マレーシア/ブルネイ―2007~2008
D19 マレーシア/ブルネイ―2007~2008

ミャンマー〈2006~2007年版〉
ミャンマー〈2006~2007年版〉

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

ロンリー・プラネット(日本)

Lonely Planet Japan (Lonely Planet Japan)
Lonely Planet Japan (Lonely Planet Japan)

Lonely Planet Tokyo (Lonely Planet Tokyo)
Lonely Planet Tokyo (Lonely Planet Tokyo)

Lonely Planet Kyoto: City Guide (Lonely Planet Kyoto)
Lonely Planet Kyoto: City Guide (Lonely Planet Kyoto)

ロンリー・プラネット(タイ)

Lonely Planet Thailand (Lonely Planet Thailand)
Lonely Planet Thailand (Lonely Planet Thailand)

Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)
Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)

Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)
Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)

Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)
Lonely Planet Thailand's Islands & Beaches (Lonely Planet Thailand's Island and Beaches)

Lonely Planet Chiang Mai & Northern Thailand (Lonely Planet Chiang Mai and Northern Thailand)
Lonely Planet Chiang Mai & Northern Thailand (Lonely Planet Chiang Mai and Northern Thailand)

ロンリー・プラネット(ミャンマー)

Lonely Planet Myanmar (Burma) (Lonely Planet Myanmar (Burma))
Lonely Planet Myanmar (Burma) (Lonely Planet Myanmar (Burma))

Lonely Planet Myanmar (Burma) (Lonely Planet Myanmar (Burma))
Lonely Planet Myanmar (Burma) (Lonely Planet Myanmar (Burma))

最近のコメント

最近のトラックバック

地球の歩き方

地球の歩き方 ガイドブック D28 インド 2006~2007年版
地球の歩き方 ガイドブック D28 インド 2006~2007年版

タイ〈2006~2007年版〉
タイ〈2006~2007年版〉

D22 アンコールワットとカンボジア―2007~2008
D22 アンコールワットとカンボジア―2007~2008

D23 ラオス―2007~2008
D23 ラオス―2007~2008

地球の歩き方 ガイドブック D21 ベトナム 2006~2007年版
地球の歩き方 ガイドブック D21 ベトナム 2006~2007年版

フリーエリア